Okunikko — Yudaki Falls
奥日光でいちばん名の知られた滝は、華厳。
でも、ガイドがこっそり連れていきたいのは——湯滝なんです。
中禅寺湖でカヤックガイドをしている私たちが、時間のあるお客さまに「ぜひ寄ってみて」とおすすめしているのが、この湯滝(ゆだき)。華厳ほど名前は知られていないけれど、近くで見上げたときの迫力は、ちょっと忘れられません。なぜガイドが湯滝を推すのか。その理由と、見どころ・歩き方・アクセスまで、まとめてご紹介します。

01 ABOUT
湯滝とは ── 湯ノ湖から流れ落ちる、奥日光の名瀑
湯滝は、奥日光の「湯ノ湖(ゆのこ)」の南の端から流れ落ちる滝です。高さ(落差)はおよそ70メートル、斜面に沿った長さは約110メートルにもなります。一筋にストンと落ちるのではなく、ゆるやかな溶岩の岩盤を、水が末広がりに広がりながら滑り落ちていく——それが湯滝の姿。標高はおよそ1,500メートルと高く、夏でもひんやりとした空気のなか、水しぶきと音に包まれます。
70m
落差(高さ)
110m
流れの長さ
25m
最大の幅
※ 数値は国土交通省・日光市公式観光「日光旅ナビ」ほかによる。およそ6千年前とされる三岳(みたけ)の溶岩流が湯川をせき止めてできた地形です。
02 WHY
華厳の滝と、どう違う? ── ガイドが湯滝を推すわけ
日本三名瀑のひとつ、華厳の滝。奥日光の滝といえば、まずこの名前が浮かびますよね。実はあの華厳の水は、中禅寺湖から流れ出たもの。そして中禅寺湖の出口には「中禅寺ダム」があって、華厳の滝へ流す水の量は人の手で調整されています(管理しているのは栃木県)。だから雨の少ない時期や水位が低いときには、水量がぐっと絞られて、少し寂しい姿になることもあるんです。
いっぽうの湯滝は、湯ノ湖から、そのまま自然に流れ落ちています。水を絞るダムのような仕組みはありません。岩盤いっぱいに末広がりで滑り落ちる、たっぷりの水。湖から流れ落ちる滝なので、水の量も見ごたえがあるといわれます。
Guide's note
正直なところ、「確実に滝の迫力を味わってほしいな」と思ったとき、ガイドがこっそり連れていきたいのは、こっちの湯滝です。華厳のような落差の一発勝負ではなく、岩肌を覆って流れ落ちる水そのものの量と勢い。近くで見上げると、思わず声が出ますよ。華厳とはまったく違う種類の「すごい」を味わえる滝なんです。
03 ENJOY
近くまで下りて、見上げる ── 湯滝の楽しみ方
湯滝のいちばんの魅力は、なんといっても滝のすぐ近くまで行けること。滝つぼの前まで遊歩道で下りられて、目の前に水が落ちてくるのを見上げられます。水の音と風、こまかなしぶき——写真より、つい動画で残したくなる場所です。
滝の上、湯ノ湖側に回れば、今度は水が流れ落ちていく「落ち口」を眺められます。上から、下から。ひとつの滝を二つの表情で楽しめるのも、湯滝ならでは。湯ノ湖をぐるりと囲む湖畔の道(約3キロ・ほぼ平坦)も整っているので、散策ついでにのんびりどうぞ。
04 HIKING
戦場ヶ原ハイキングは、湯滝から ── 北の起点として
湯滝は、奥日光を代表するハイキングコース「戦場ヶ原(せんじょうがはら)」の北の入り口でもあります。ここから赤沼(あかぬま)まで、湿原のなかの木道を約5キロ。湯滝側からスタートすると全体がゆるやかな下り基調なので、ハイキングが初めての方やお子さま連れでも歩きやすいのがうれしいところ。途中にはラムサール条約に登録された湿原が広がり、晴れた日には男体山(なんたいさん)の堂々とした姿も望めます。
※ 湯滝〜赤沼は約5キロ・高低差およそ100メートル。休憩を入れて2時間半〜3時間ほど。所要は目安です(出典:日光旅ナビ/環境省 日光湯元ビジターセンター)。

05 STREAM
実は、あなたが漕ぐ湖の水でもある
湯滝を落ちた水は、戦場ヶ原をゆっくり流れる「湯川(ゆかわ)」になり、竜頭(りゅうず)の滝を下って、最後は中禅寺湖へと注いでいきます。
湯ノ湖 → 湯滝 → 戦場ヶ原 → 竜頭の滝 → 中禅寺湖
そう。私たちがカヤックで漕いでいる中禅寺湖の水は、もとをたどれば、湯滝を流れ落ちてきた水でもあるんです。滝を見上げてから、その水がたどり着く湖を漕ぐ。そんな「水の旅」を一日でたどれるのも、奥日光ならではのぜいたくです。

06 ACCESS
アクセス・駐車場
- 車:日光宇都宮道路・清滝ICから国道120号(いろは坂経由)で、中禅寺湖を抜けて戦場ヶ原方面へ。湯滝のすぐ近くに駐車場があります(冬季は利用できません)。紅葉の時期は道路が混みやすいので、午前の早い時間がおすすめです。
- バス:JR・東武日光駅から東武バスの湯元温泉行きで、戦場ヶ原・湯滝方面へ。交通系ICカード(PASMO・Suicaなど)も使えます。本数が限られるので、最新の時刻表は東武バス日光でご確認ください。
- 冬のご注意:標高が高く、冬季は湯滝の駐車場や湖畔の歩道の一部が通行止め・閉鎖になります。お出かけ前に最新情報の確認と、雪道の装備を。
07 FAQ
よくあるご質問
Q.華厳の滝と湯滝、どちらがおすすめ?
どちらも素晴らしい滝ですが、性格が違います。華厳は高さ97メートルを一気に落ちる「動」の迫力、湯滝は岩肌を広がって流れる「量」の迫力。華厳は中禅寺湖の水をダムで調整しているので時期によって水量が変わりますが、湯滝は湯ノ湖から自然に流れ落ちます。時間があれば、ぜひ見比べてみてください。
Q.滝の近くまで行けますか?
はい。滝つぼの前まで遊歩道で下りられて、目の前で見上げられます。滝の上(湯ノ湖側)からは、水が落ちていく「落ち口」も眺められます。
Q.ハイキングは初心者でも大丈夫?
湯滝から赤沼までの戦場ヶ原コースは、よく整備された木道で、湯滝側からは下り基調。約5キロを2時間半〜3時間ほど、のんびり歩けます。歩きやすい靴でどうぞ。
Q.カヤックと滝めぐり、両方できますか?
できます。午前にカヤックを楽しんで、午後に竜頭の滝〜戦場ヶ原〜湯滝と回るのが王道です。回り方は午前・午後 王道モデルコースでくわしくご紹介しています。
華厳の有名さに少し隠れているけれど、近くで見上げたときの迫力は、きっと記憶に残ります。奥日光に来たら、ぜひ湯滝まで足をのばしてみてください。そして——その水が流れ着く中禅寺湖を、今度は水面の高さから漕いでみませんか。
時間帯で選ぶ:ご来光|朝凪|午前|午後|夕凪
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